大家さん読本でがんばる家主の会のメンバーが参加した座談会がありました。その後、大家さん読本で掲載された記事の内容を紹介します。
記事(3)
●自主管理することによって、入居者の人となりが分かる
松浦:
でも本当に色々な問題がありますよ、滞納だけでなく。入居者間のトラブルも結構あります。隣同士で言い争いになって、新しく来た人が挨拶がない、とかね。無視したとかされたとかそんなことで問題になったりもします。奥さん同士の喧嘩だったらまだいいんですけど、旦那さんまで出てきて、「表に出ろ!」とか(笑)。で、奥さんから電話がかかってきて、私が仲裁したこともありました。何だったら警察呼びましょうかと、それぐらい威嚇して治めたりもしました。
吉村:
うちも飲んだくれのおばちゃんがいるんですけど、酔っ払って暴れるんですよ。それで、私が1時間ぐらい説教したこともあります(笑)。私よりかなり年上の方なんですけど。1週間ぐらいはおとなしくしてくれるのですが、1週間後にはまた飲んでしまうという...(笑)。
柏元:
「うるさい」と言われている加害者側の人なんですけど、波があるんですよ。調子がいい時は話もよく分かってくれて「すみませんでした」となるんですけど、調子が悪い時は逆切れする...そうなると、被害者側の人にも分かってもらえなくなります。やはり悪い時の印象の方が強く残りますから。その方にはちょっと苦労していますね。
橋本:
うちはすごく静かな住宅街なんですけど、音に敏感な方が結構おられます。朝の8時頃に電話がかかってきて、「大家さん、大家さん、今、聞きに来て下さい」と言われるので行ってみたら、かすかにコツコツ...「あ、ちょっと何か音しましたねえ」ぐらいの範囲なんですけど。で、「分かりました、私が聞いたところ、この時間でこの程度なら許容範囲なんで」とはっきり言いました。「そんなに気になるのでしたら、出ていただいても結構ですよ」と。それからは、出て行くのは困るということで、言って来なくなりました。
あと、ワールドカップの時に、夜の10時頃から始まって、ゴールした時に「おお~~!」と大声出す人がいて、それがうるさいと電話かかってきたんです。その時は「すみません、お祭り行事なんで多めに見てあげてもらえませんか」とお願いしたら「なるほど、そうだな」と納得していただきました。だからコミュニケーションを取るということと、あと人間って面白いもので、誰かに話すことでストレス発散できるみたいで、「気になることがあったらまた言って下さいね」と言えば、結局問題は解決していないんですけど(笑)、あまりそれからは言ってこられなくなりましたね。
吉村:
自主管理していると、そういう点が分かりますね。人となりが分かりますから、その人が神経質だから言ってきてるんだとか、それとも本当にうるさくて言ってきてるのか、それが分かるんです。それによって応対の仕方は適切に判断できます。いちいち真に受けてたら大変です。きっちりしてもらっている人にも迷惑がかかりますしね。
●サラリーマン時代の経験を家主業に活かす
O:
皆さんは専業大家さんですか。
松浦:
専業になった、というのが正しいですね、前は皆さん兼業大家さんだったんですよ。結婚した、婿養子に入った先が大家さん業をしていた、という方も割りと多いです。橋本さんも婿養子でしたっけ。
橋本:
そうです、私はもともと神奈川でエンジニアをしていましたので、全く畑違いです。賃貸経営の予備知識もゼロで。結婚する前は賃貸経営は楽しい世界かなと思っていたんですけど、特に楽しくもなく(笑)。バブルはじけた後だったし。でも、サラリーマン時代にサービス精神とかは一通り叩き込まれていたので、そういう面では最初から専業の大家さんである人とは違いますね。
松浦:
うちの会員はほとんどサラリーマンを経験されているので、それは役に立っていると言えます。組織の中で働いているとサービス精神や顧客満足といったものが養われていきますが、それは今の家主業に通じるものがあると思います。その辺は昔の大家さんとは違うでしょうね。私は常に入居者に満足度を与えたいと考えています。なるべくお金をかけずに...まあ、多少はかけますけど(笑)。
昔の大家さんは「貸してやってる」という感じがありましたし、あと、自分のことはほとんど外に出さず、情報の交換もしない、自分の物件や資産について誰かに話すことがなかった。でも今の大家さんは、お互いにオープンにして情報交換して、いいところをどんどん取り入れています。また、そういう風に積極的にされている人の方が成功しているように思います。
O:
「がんばる家主の会」は今会員どれぐらいいらっしゃるのですか。
松浦:
今は60人ぐらいです。月に1回集まって勉強会を開いています。参加者は毎回30~40人ぐらい。それ以外に、仲間の物件見学会とか、専門家を招いて講演していただいたり。今までに何度か講師の方に来てもらっていますが、全員ボランティアで来ていただいています。普通は講演料1回何十万という先生でもボランティアですね。今まで交渉しても断られたことないです、みなさんいい人です(笑)。
こういう会を持つことで有効だなと思うのは、数は力なり、ということでしょうか。たくさんの会員が聞きに来るから講師の方も無料で講演してくださる。これがもし、私一人だけだったら「すいません、私の前で話して下さい」って言っても断られますし(笑)。だからもっと会員が増えてもいいと思います。我々の会は規約などに縛られないように、気軽に参加できます。会費もないです。勉強会の会場費を1回500円いただくぐらいです。
O:
「がんばる家主の会」では、ご自分の物件のブログの作成方法も勉強会で教えてくださるそうですが、ご自分の物件のブログを持つことでどんなメリットがありますか。
柏元:
正直、入居者から直接の反応はあまりないのですけど、うちはマンスリーマンションもやってるので、そちらはそれなりに宣伝効果がありますね。仲介業を通すというスタイルじゃないので。でも、不動産会社には、WEB上にデータがあるので、直接ブログを見てくれれば最新の情報を伝えることができます。
原:
私も入居者というよりも、不動産会社への情報提供用にブログを立ち上げています。物件の写真をメールに添付して送ったり。ただ、そういうやり方で情報提供しても、不動産会社の方が見てくれなかったり、そのまま捨てられたりすることも多いです。まだ、慣れていないのかもしれないですが。そのためのフォローとしては、私が不動産会社のお店に行って、ブログを開いて、「ここをクリックしてくれ」と説明します。私のブログをお店でお客さんに直接見せてくれて、それで部屋が決まった、ということもありました。
O:
借り手が物件検索サイトで検索して、不動産会社に直接電話をするということも増えているようです。
松浦:
大家さんの側でも、そういった検索サイトに自分の物件が載っているのを確認する必要があるでしょうね。こだわり条件というのがあるじゃないですか、今何が流行っているのか、ということを把握した上で、それだったらうちの物件のここをこだわり条件にいれてもらおうとか、そういう努力も必要なんじゃないでしょうか。
座談会を終えて。
最後に柏元さんが、お手製の物件紹介チラシを皆さんに配られていました。パワーポイントを使って作成され、間取り図もエクセルで作ったそうです。これを不動産会社への営業ツールとして配布しているとのこと。何もかも業者任せにせず、自分達でできることは何でもやってみる。そういう積極的な姿勢こそ、これからの大家さんに求められるものではないでしょうか。

